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知的探究心を高める方法とは? ――東京大学の学術的イベントのすすめ――

   

東京大学安田講堂2
みなさん、こんにちは!
両国校国語科講師の福島です。
大学は知的探究心を最大限に活性化する場所です。したがって、大学に進学しようと考えている人には知的探究心が求められます。
知的探究心を高めておくと、AO・推薦入試にも役立ちます。
それでは、知的探究心を高めるためには、どうしたらよいでしょうか?
私は大学で開催される学術的なイベント(公開講座、シンポジウム、講演会、ワークショップなど)に参加することをおすすめします。大学は知的探究心を高めるための環境が整っていて、知的探究心の高い人と出会えるからです。
東京大学(駒場、本郷、柏キャンパス)では多くの学術的なイベントが開催されています。
最近では、2015年11月に東京大学安田講堂で、第122回秋季東京大学公開講座「心」が開催されました。内容は次のとおりです。

第1日=11月7日(土)「心と社会」
①文学と想像力………塚本昌則
②「こころ」と「からだ」と「くらし」の三角形………近藤伸介
③精神障害者と罪と罰………樋口亮介
・総括討議………(司会)橋爪隆
第2日=11月22日(日)「進化と心」
①動物の心………武内ゆかり
②ヒトの心はどのように生れ、進化してきたか?………長谷川寿一
③ロボットは心を持つか?………國吉康夫
・総括討議………(司会)榎本和生
第3日=11月29日(日)「コミュニケーションと心」
①脳から見る人間の言語と心………酒井邦嘉
②子どものことばを育む心………針生悦子
③インターネットと心の健康………下山晴彦
・総括討議………(司会)寺田寅彦

東京大学安田講堂3

私は第3日目(11月29日)の公開講座に参加しました。
第1講義(酒井講師)では、人間の創造力のヒントは言語学にあること、ノーム・チョムスキー『統辞構造論』の重要性を教えられました。
第2講義(針生講師)では、赤ちゃん向けしゃべり(IDS; Infant-Directed Speech)は赤ちゃんを惹きつけ、ことばの学習を助ける働きがあることを教えられました。
第3講義(下山講師)では、うつ病患者数の増加という深刻な事態を受けて労働安全衛生法が改正され、2015年12月から従業員50人以上の企業に職場の「ストレスチェック」を義務付けられるようになったことを初めて知りました。認知行動療法(CBT)をはじめとする臨床心理学の方法を簡単に利用できるメンタルヘルスのシステムを、ICT(Information & Communication Technology)を活用して構築することの可能性について学びました。
総括討議では、司会者が質問票の中から代表的なものを数点選択したあと、その質問に各講師が答えていきました。紙の本とe-bookとの違いについての酒井講師の説明が特に心に残りました。
この公開講座を受講したことによって、私の知的探究心は非常に活性化しました。
「東京大学公開講座」は年2回開催されて、東大生と高校生は無料で聴講できます。
このほかに「高校生のための金曜特別講座」もあります。
これは学問の魅力を高校生に伝える講座です。東京大学教養学部附属教養教育高度化機構社会連携部門が中心となって2002年度4月から始まりました。社会連携部門は、民間の人々との双方向の関わり合いを促進して、様々な教育手法を開発・実践することを目的にしています。
この講座は駒場キャンパスで毎年25回平均の頻度で催されています。2014年10月には通算300回を越えました。2005年度からはインターネット配信も開始され、現在では全国で約50の高校がこの講座をリアルタイムで受講しています。
2015年度後期の「高校生のための金曜特別講座」をご紹介しましょう。
時間は17:30~19:00、会場は東京大学駒場Ⅰキャンパス18号館ホール、受講料・申込は不要です。
講義日・テーマ・講師は以下の通りです。

〔2015年〕
10月2日=「歴史の謎をDNAで解きほぐす」
………石浦章一
10月9日=「宇宙で電気をつくる―宇宙太陽光発電と地球のエネルギー問題―」
………佐々木進
10月16日=「国際社会と法―国際法とは何か―」
………西村弓
10月30日=「移民、人権、国境を考える―フランスからの視点」
………増田一夫
11月6日=「「万葉集」はこれまでどう読まれてきたか、これからどう読まれていくだろうか」
………品田悦一
11月13日=「昆虫科学が拓く新しい科学と技術の世界」
………神崎亮平
11月27日=「美肌の力学―工学と美容の妖しい関係―」
………吉川暢宏
12月11日=「「現代アートって何?―芸術から考える現在―」
………桑田光平
12月18日=「南米ベネズエラの音楽と文化」
………石橋純
〔2016年〕
1月22日=「ナノテクで熱を電気に―エネルギーのリサイクル―」
………野村政宏
1月29日=「戦後経済史のなかの原子力発電」
………定松淳
2月5日=「微分・積分の先にあるもの―変分法入門」
………加藤晃史

このように「高校生のための金曜特別講座」は講義の多彩さが大きな魅力です。
2016年度も興味深い講義がたくさん開催されることでしょう。
東京大学で開催された講義や講演などの映像は「東大TV」(大学公式ウェブサイト)で、会員登録不要、無料で視聴することができます。私は「トマ・ピケティ教授東大講義」やマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室 in JAPAN」などを視聴して、多くのことを学びました。
「東大ナビ」は東京大学のイベント情報を集約し、メールマガジンやSNSを通じて届けています。この東大ナビを利用して、自分にふさわしいイベントを探してみるとよいでしょう。
以上のように、大学で開催される学術的なイベントに参加すると、知的探究心を高めることができますよ!
ぜひお試しください!

〔参考文献〕
・東京大学教養学部編『高校生のための東大授業ライブ 学問への招待』東京大学出版会、2015・7

 

 

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